足立区西新井栄町の内科、小児科、アレルギー科なら せき内科小児科クリニック

ご予約・お問い合わせ03-3886-2543

〒123-0843
東京都足立区西新井栄町3-17-5

MENU

おねしょ

おねしょとは?

おねしょとは?

腎臓で作られる尿量は、摂取した水分量・塩分量・蛋白質の影響を受け、脳下垂体から分泌されている抗利尿ホルモンにより調節されています。腎臓で作られた尿は、膀胱に一定量が溜められた後に尿意に従い尿道を通って排出されます。昼間と夜間睡眠中の排尿を比べると、夜間睡眠中には排尿を少なくする2つのメカニズムが存在します。ひとつは、夜間睡眠中には抗利尿ホルモンの分泌が昼間の2倍程度に増加し、夜間睡眠中の尿量が昼間の尿量の60%前後に減ります。もうひとつは、自律神経のバランスにより、夜間睡眠中の膀胱での尿を溜める力(膀胱容量)が昼間の1.5倍程度に増加します。

夜尿をする子としない子の違い

夜尿をする子としない子の違い

夜尿がなくなるためには、夜眠っている間のおしっこの間隔が夜眠っている時間(8~10時間)以上に伸びることが必要です。夜眠っている間のおしっこの間隔が延びるためには、昼間と比較して夜眠っている間に腎臓で作られる尿の量が約1~2となり、さらに膀胱の尿をためられる量が1.5~2倍程度になる必要があります。この睡眠中の尿量の減少と膀胱の尿をためられる量(膀胱容量)の増加のために、おしっこの間隔が9時間から12時間に伸びて、夜眠っている間は排尿しなくすむようになります。夜尿が続くお子様は、この睡眠中の尿量の減少と膀胱容量の増加が不十分であるために、夜眠っている間の排尿間隔が短くなって、睡眠中に尿意が強くなり、夜尿となります。睡眠中の尿意では、お子様は眠りが深いため、大部分のお子様は起きて排尿することができません。

夜尿症のお子様のタイプ

夜尿症のお子様のタイプ

多尿型
睡眠中の多尿の原因としては、2つ考えられます。大部分は、夜間睡眠中の抗利尿ホルモン分泌増加の発達が不十分なために、尿を濃くする力が不十分で、うすい尿がたくさんでているものです(=低比重多尿型)。一部には、摂取する塩分量(時に蛋白量)が過剰で、濃い尿で夜間睡眠中の尿量の多いものがあります(=高比重多尿型)。夜尿症の子どもの中の約半数は、この昼間と夜間睡眠中の尿量のリズムができていないために夜間多尿となり、夜尿をしています。

膀胱型
少ない尿量で膀胱が尿意を生じ(不安定膀胱あるいは過活動膀胱と言います)、膀胱容量が少なくなっている夜尿症です。膀胱容量が昼、夜とも悪いものと、夜間睡眠中だけ悪いものとが半々ぐらいです。夜尿症の子どもの中の約2/3は、この膀胱容量が不十分で夜尿をしています。(日本泌尿器科学会 『おねしょ』(夜尿症)が治らない)

混合型
多尿型、膀胱型の両者の要因を持っているもので、実際には4つの組み合わせが考えられます。夜尿症の子どもの中の約1/3はこの型で、治療に時間がかかることが多く、低年齢に多くみられます。この型の約30%に昼間の尿失禁が見られます。(日本泌尿器科学会 『おねしょ』(夜尿症)が治らない)

夜尿症が、いつ改善されるのかのおおよその時期

夜尿症が、いつ改善されるかのおおよその時期

夜尿症が、いつ改善されるか(重症度)は夜尿をしている時間帯が影響します。個人差がありますが、平均的にみると夜尿が寝入りばな(就寝後)にある場合には5~6年後、夜中にある場合は3~4年後、朝方(起床前)のみにある場合は1~2年後で自立します。夜尿が寝入りばな(就寝後)にある場合、夜中にある場合にはほぼ連日夜尿がみられ、一晩に数回の夜尿があることも多いようです。朝方(起床前)のみにある場合は夜尿のない日もみられてきます。

夜尿症の治療

夜尿症の治療

多尿がある「多尿型」「混合型」には、夜間尿量を減らすことが大切です。
夜間の尿量を減らす大きなポイントは、食事・水分の摂り方の見直し(食事療法)です。
具体的には、摂取する塩分量(時に蛋白質量)を減らす、水分摂取の少ない食事をする習慣を身につける、夕食後の水分摂取(果物なども含む)は極力避けるなどが必要です。
膀胱の貯めが悪い「膀胱型」「混合型」には、排尿を我慢することが大切です。
膀胱の貯めを増やすためには、排尿をなるべく我慢する習慣(排尿抑制訓練)をつけることが必要です。特に昼間尿失禁を伴っている場合には、大部分のお母様方は早めに排尿をさせています。心を鬼にして我慢させてください。
夜尿症に対する薬剤投与もタイプ別に違います。
薬剤を使用する場合には、まず生活上の注意(食事療法 排尿抑制訓練)が十分行えることが前提となります。夜尿症に用いられている薬剤の作用はいずれも対症療法です。生活上の注意をおろそかにすると、薬剤のみで一時的な症状の改善はみられても、かえって薬剤の副作用の出現を助ける場合もあります。
一般的に使われる薬剤としては
抗利尿ホルモン剤(ミニリンメルト内服薬)
三環系抗うつ剤(トフラニール、アナフラニール、トリプタノール)
副交感神経遮断剤
(バップフォー、ポラキス、ベシケア、デトルシトール、ウリトスなど)
などが主流です。

TOP